
久保信人のアンバウンドグラベル2025(レース編-1)|Unbound Gravel 2025

Bicycle Club編集部
- 2025年06月13日
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5月31日、アメリカのカンザス州エンポーリアの街で開催された「アンバウンドグラベル」。世界で最もグラベルライダーから知られているレースイベントで、日本からの参加者のここ数年は20名ほどを数えている。今年の参加者もエントリーリストを目視で数えたところ22名が日本からの参加者と記載があった。
先日終了した2025年の同イベントにて、200マイルレースに参加した久保信人さんと青山雄一さんの参加レポートが届いている。今回は久保さんのレポートのレース編を全2回で紹介しよう。
準備編レポートはこちら
カンザスシティーに到着
青山さんと一緒にカンザスに到着し、いかにもアメリカな巨大なピックアップトラックをレンタルして、エンポーリアへ移動。見渡す限りの農村地帯とそこらじゅうに現れる長ーいグラベルロードに心が躍ります。

あらゆる表示が「マイル、フィート、ポンド、ガロン」なので、全然数値基準が咄嗟に分からない。「アメリカだなあ〜」 そんなことを思いながらエンポーリアの街に到着しました。
Emporia States Univercity の寮に宿泊
昨年年代別優勝した高岡さんが手配してくれていたスタート地点近くのEmporia States Univercity の寮にチェックイン。若かりし頃にできなかった海外留学気分を48歳にして体験。 なんとこの大学は創立1864年で非常に歴史ある名門大学だそうです。
大学の寮、というと若者達らしいちょっとした落書きとか、ちょっと汚れた感じかな、と勝手に想像していたのですが、それは綺麗に清掃されており、落書きなんてどこにもなくて、どこもピッカピカの綺麗な施設でした。

ここには選手や大会関係者が宿泊しており、いかにもカンザスな雰囲気のおじさん達が、コースのポイントなどを教えてくれたり、現地の方との触れ合いがあったのがとても良かったです。

おそらくここに宿泊できるのが大会参加にはベストだと思いますが、先着順のクリック合戦らしく、確実に確保するのはなかなか難しそうです。今回は当初出場予定だった方の部屋に空室が出たおかげで、こちらに宿泊できることになりました。
シェイクアウトライド
前日にはシェイクアウトライド(試走ライドイベント)に参加したのですが、なんとこの試走ライドの参加者が多分4-500名はいたのでは?というぐらい巨大な規模で、試走ライドのスタートにも現地警察の誘導がつくという、その規模感にびっくりしました。

試走を走ってみて、前半のコースは非常に綺麗で硬い、かなりロードに近い高速グラベルであると確認できました。
しかし、所々結構な穴があったり、ラインによっては砂利が深く溜まっている場所があったりと、大人数の集団では常にリスクがあることもわかり、ボトルに手を伸ばしてドリンクを飲むだけでも十分な注意が必要だなと感じました。
また固形物を開封して補給することはかなり難しいだろうと予測して、できる限りボトルにCarbをたくさん入れて、ドリンクで可能な限りカロリーを摂れる補給プランを立てました。
レース当日 緊張のスタート
実に約25年ぶりのマススタートのレース。
完全に集団走行の感覚も失われていたので、何よりも集団落車や位置どりへの不安が拭えません。スタートは9時間・10時間・12時間・14時間と目標タイム毎に区切られており、各自の判断で好きな場所に並ぶことが出来ます。
私はギリギリ日暮前のゴール、14時間程度でゴールできることを目標としていましたが、ちょっと背伸びして12時間のレーンに並びました。

これは結構なギャンブルでした。もしこのグループが速すぎると自爆行為にもなりかねません。しかし、少し前でスタートして、速すぎたらすぐに後退しながら適切なペースのグループに入ろうという目論見です。
ロードレースの世界において、パリ~ルーベのようなアクシデントの多いコースでは、できるだけ前でスタートして、常に前をキープするというのがセオリーです。グラベルレースでも同じだろうと考えました。本当はもしかしたら10時間のレーンに並んだほうがもっと良いのかもしれないですが、そこまで背伸びする勇気はありませんでした。
せっかくはるばるやって来て、前半で落車で終了したらどうしよう。
巻き込まれて機材が壊れてしまったら。
チェーンが切れたりしないかな。
本当に不安でした。なぜなら出発直前、1週間前の練習中にも単独で落車、その前の週に青山さんと練習した時もハスって落車していたからです。そんな緊張もあり、スタート1分前になってものすごくトイレに行きたくなりましたが、もう今からトイレには行けません。覚悟を決めて、とにかく最初のウォーターエイドまでは我慢するつもりでスタートしました。
トレイルランニングのレースではこれらのアクシデントのリスクはほとんどないので、自分のペース配分などをミスらなければ、ある程度の確率で実力を発揮できるスポーツですが、バイクレースはさまざまなアクシデントを回避する能力と運が必要とされます。自分の力だけではどうにもならないアクシデントも起こり得る競技なので、それだけは本当に不安でした。
アメリカ国歌斉唱され、いよいよカウントダウン。25年ぶりのレースがスタートしました。
集団内に唸るグラベルタイヤが高速で回転する音、ラチェットの音、前方で吹き上がるグラベルの白い土煙、全てが懐かしい景色でした。かつて自分が何十レースと走って来た景色が25年ぶりに自分の前に現れました。
なんとも言えない感動を味わいつつも、絶対にアクシデントに巻き込まれないようにと前方の動きに集中しました。思ったよりも集団は密集せず、比較的安全を担保できるスペースを確保しながらどんどん加速する集団で前に上がっていくラインを読みながら進みます。
昔自分が走っていた公式のアマチュアレースでは、もうそれは激しい位置取り争いで肘や肩をぶつけ合いながら少しでも隙間があれば突っ込んでいったものですが、安全に完走する目的の参加者も多いイベントでもあり、そこまでカオスな状況にならなかったので少しホッとしました。
325kmと非常に長いこともあり、頻繁に中切れが起こるのですが、無理に詰めようとする選手が少なく、あっさりと見送るライダーも多いため、もっと前に行きたい場合は素早く対処する必要がありました。
常に時速は38-45kmくらいで進んでおり、グラベルレースとは思えない高速で進みます。高速で巡航する中で徐々に集団は分断され、幾つものグループに別れ始めます。
ここでどのパックに落ち着くかが非常に重要な判断だと思いました。速すぎれば、後半力尽きて失速するだろうし、あまり守りに入りすぎるとアベレージが上がらず、日暮前のゴールが難しくなります。
スタート後1時間くらいで、約30名程度の良いペースのパックに収まり、その中で極力力をセーブしながらまずは第一エイドまで行くことを目指します。少し下り基調になるとこのグループは時速45kmをキープする高速で進みました。なんとそのローテーションをメインで回していたのは、高身長で足の長い女性選手でした。

私はこんな高速でグラベルを走ったことがなかったので、そのペースを作っている選手が女性だとわかり驚愕しました。
また同じ集団にはファットバイクの選手もおり、時速40kmで巡航できるファットバイクってどんなだ!とこちらにも驚愕。
さらにはシングルスピードの猛者もおり、かなり速いグループだとは思っていましたが、そこに普通について来れるファットバイクとシングルスピードの選手はすごいな!と思いました。
思ったより激しいアップダウンと無限ループ
最初のウォーターエイド86km地点までは相当な高速で突き進みました。
かなりグループも足並みが揃っていたのと、さらに前のグループから溢れて来た選手達が合流し、彼らもローテーションに加わったため、徐々に「このままこのグループにいて大丈夫だろうか」、と言うぐらいかなり速いペースになっていました。
自分は極力隠れて消耗しないように心がけますが、あまりグループの後ろに行くと、何度も中切れが起きるし、コーナーの立ち上がりもアコーデオンのように集団が伸び縮みして消耗するので、10番手ぐらいに収まるように進みました。
アベレージ32km/hぐらいで最初のウォーターオアシス86kmに到着。
計算では第1チェックポイントまでは水は持つ計算だったので、本来この休憩ポイントはスルーする予定でした。しかし、スタートから我慢していたトイレがもう限界。トイレに駆け込み、補給、ではなく排出のためにストップせざるを得ませんでした。しかも、相当蓄えていたみたいで、なかなか終わりません。ここでせっかくの良いパックから離れてしまうのは勿体無いと焦りましたが、相当な軽量化には成功し、急いでレース復帰。
ここで水を汲んだ選手も多く、さっきのパックは幾つにも分断して散り散りになっていました。しかし!このウォーターエイドから先が、アンバウンドの本領発揮、前半の高速グラベルとは打って変わって「スーパーチャンキーロード」へと変貌しました。
早々にかなりがれた急登が出てきたと思ったら、ものすごくロッキーな急下り、降り切った場所は水たまりやマディコンディションで非常にスリッピーと、一気にサーフェスが難しくなりました。そこらじゅうで選手が転倒し、路肩で修理したり、歩いて泥を渡ったり、様子が一変してきました。
とにかくアクシデントを回避することに集中し、必要以上に下りなどを攻めないことにしました。また上りもその先のくだりである程度余裕を持ってバイクコントロールできるようにプッシュしすぎないように注意していきました。
このエリアから、非常に険しいアップダウンがひたすら続き、正直ここまで激しくアップダウンしているとは想定外で、足がどこまで持つのか心配でした。とにかく上りはできるだけ踏まないように軽いギアをピッチで回し、足が売り切れないようにセーブ。
しかし道がテクニカルになればなるほど、先頭がペースアップしているようで、どんどん集団が分裂していきます。私も平坦や下りはクラッシュしないギリギリのペースでできるだけ遅れないように踏みます。このエリアでは装備したサスペンションステムが非常に良い仕事をしてくれました。
落車に巻き込まれそうになる
しかし、非常にテクニカルな深い轍のある下り、安全に走行できるラインが幅20cmくらいしかない下りで、自分の4−5人前の選手が轍にホイールを取られて激しく落車!バイクが目の前に吹っ飛んできて、
「ああ!終わった!つっこむ!!」
とフルロックしてその飛んできた自転車に突っ込みながら何とか止まろうとフルブレーキ!間一髪のところで、片足をついてギリギリ転倒は免れました。
マディなエリアは車が通ると深い轍ができて、その後晴れると轍がカチカチに固まって、非常に細ーいラインができてしまいます。そのラインから少しでも外れようものなら車輪が轍に引っかかり、バランスを崩して転倒します。 前の選手から10cm横にずれただけで、轍に取られて転倒するという、極めて危険なエリアが何度も繰り返しました。
また泥で、ツルンツルンになってしまっているエリアは、ほんの少しでも重心が傾くと、途端にロデオしてひっくり返ります。前を行く選手は、何人もバランスを崩して一瞬で滑ってひっくり返り、泥まみれになっている選手が無数にいました。
私は片足のクリートを外して、足で路面を蹴りながら、慎重にこの泥エリアをクリア。
いきなり様相が変わったコースに、かなり消耗し、第1エイド5km手前ぐらいで水が切れました。もう直ぐ最初のエイドのはずですが、「もしサイコンと実際の距離に誤差があったら危ないかもしれない」と不安になりました。
このころになると気温も相当上がってきていることが体感で分かりました。
第1チェックポイントで既にかなり足が終わる
128km地点、 最初のチェックポイントにやっと到着!
長かった。しかしスタート前に計画した10:45着より15分速く、スタートから3時間56分で128kmのチェックポイントに着きました。今回は大会提供のサポート「Crew for hire」を頼んでいたので、そのサポートエリアへ。
個人で参加する場合は、この「Crew for hire」のサポートは必須です。たくさんのボランティアの方々が到着する選手のゼッケン番号を叫んで、預けたバックを持ってきてくれます。私は今回、「できる限りエイドストップを短くする」ことを目指してエイドワークを計画していました。すでに交換するロングボトル(ドリンク入り)を2本を入れ換え、そのほかのジェルなども全てポケットに入れ替えるだけでエイドアウトする計画でした。
しかし、思った以上に疲れており、いい感じで息が上がっていて、簡単な交換作業も手際が悪い。とりあえずスタートで装備した空のボトルと、すでにモルテンやエネルギードリンクを溶かしたロングボトル2本を入れ替え、補給のゴミを全部出して、ジップロックに用意した新しいジェルと固形食をリアポケットと、トップチューブバッグに入れて、バッグを直ぐに返却。
しかし、当初の補給計画では各エイド間でボトル3本とポケットのミニジェルボトル、トップチューブバッグの固形補給を最低でも3つは食べないと、後半に必要な摂取カロリーをアンダーする、と言う計算だったが、ここまでのサーフェスがあまりにテクニカルで、とても固形の補給食を食べれず、さらに半分がバックのポケットから落ちて、固形の補給食が1個しか食べれていなかった為、予備で用意していた蒸したジャガイモの真空パックを貪り食べて、ミニ缶コーラで流し込みました。
エイドストップは多分5分以内だったのではないかと思います。
しかし、エイドアウトすると顕著に疲労を感じ、ここまでと同じペースでは進めなくなりました。さらにコーラが良くなかったのか、お腹が炭酸で膨れてしまってパンパンに。
直ぐに結構きつめの長い上りが出てきて、相当スローダウンしていることを感じます。しかしここまでがかなり早かったので、兎に角無理せずゆっくりでも進み続けることを心がけスローペースで進みます。
流石にこのエイドでかなり集団はばらけ、2−3人の小さなパックが前にも後ろにも連なっています。この辺りからかなり向かい風が強くなり、激しいアップダウンと共にかなりペースが上がりにくいエリアに入ってきました。
出来るだけ単独走の時間を減らすために、後ろを見て、少し待てば誰か来そうな場合は回復を促しながら補給をして後ろを待ち、追いついてきた選手に一緒に行くことを心がけました。
補給が吸収されない事態
この辺から気温もどんどん上がり、ドピーカンの天気で日差しもキツく、傾斜がキツい上りは相当暑く感じるようになり、熱中症の気配が出てきました。とにかく冷たい水を被って体温を下げたいのですが、ボトルは全てCarbドリンクが入っており、かける訳にはいきません。
また、お腹は水分でタプタプしているのに、どうも体に吸収されている気配がなく、これはトレイルランでも良く起こる、ミネラルバランスが崩れて水を吸収できていない状態だと感じました。こう言う状態の時はエネルギーも回っておらず、力が入らなくなってきます。
第1チェックポイントから第2ウォーターオアシスまでの区間が、かなり苦戦しました。なかなか胃の中のドリンクやエネルギーが吸収されない状態が続き、ついにはキツい上りで異常に心拍が上がってきて、ついにバイクを降りて歩いてしまいました。
そうこうするうちに川が目の前に。待ちに待った渡渉がやっと出てきて、水が結構綺麗なことを確認し、たまらずドボン!!冷たい川の水を全身に浴びます。
「あ〜生き返る!」
この川がなかったらかなり危険でした。
ウォーターオアシスでグロッキーになる自分
しかしその後も上りのたびに体がオーバーヒート気味になる感覚があり、もうすぐ第2ウォーターオアシスだと思いながらも、停車していた大会スタッフの車に懇願して、冷たい水をもらい身体中にかけました。なんとかこの水浴びで熱中症寸前の体を冷やし、命からがら第2ウォーターエイドに到着。直ぐに芝生の上に倒れ込み、ボランティアの方が配っていた氷を首筋と背中に入れて、足を高くして横になりました。
「やばい、やらかした。これは飛ばし過ぎた。でももう手遅れだ。ああ、ここから長いぞ。ここでやっと半分くらい。復活できなかったら夜中ゴール確定だ……。」
と、すでに相当グロッキーになってしまった自分を呪いました。
なんとかしなければ。この症状は確実に塩分が欠乏して水分を吸収できていない。「梅純」というものすごく塩味もあり酸っぱい梅ベースのタブレットを一気に4つ食べて、さらにミネラルサプリを一袋とアミノ酸・クエン酸サプリを飲んで、ゲータレードで流し込みました。もう食べ物はちょっと食べれない。
ボトルにもここで配られていたゲータレードを追加し再度満タンに。とにかく水切れと補給切れだけは回避しなければ。
本当はここも水を継ぎ足したら直ぐに出発する計画でしたが、流石にこの状況でこれ以上プッシュできないため少し休憩。氷で首筋や脇の下を冷やし、深呼吸して心拍を少しでも落ち着かせ、ある程度体が冷えるまで横になりました。
少し休んだ後、まだかなりグロッキーではありましたが、これ以上は止まっていられないと思い、まだフラフラしながらもとりあえずバイクに跨り、ノロノロと走り出しました。
また後ろから、いいトレインが来てくれることを願いつつ、ちんたら走ります。幸い第2ウォーターエイド後は比較的フラットなグラベルが続いており、元気なら結構スピードが出せたはずでした。
かなり元気なライダーが直ぐに追いついてきたので、なんとか自分の体に鞭を入れてスリップストリームに入ります。時速32−34kmのかなりいいペースで引っ張る。でもついているだけで結構こちらはきつい。
10分くらいついていくが、堪え切れず千切れ。また後ろの選手に吸収されついていくが、また千切れる、を繰り返しました。
「力が入らない…。もう足が終わった……」。この時はそう思いました。実際、この区間でかなり順位を落としました。
ですが、徐々にコースがエンポーリアの街に向けて南下し始めると、風向きが追い風傾向になってきました。DHバーにしがみついて、全身を預けて足を回すと、幾分ペースが回復。さっき千切られたグループも、実は意外と進んでいなくて、こちらが少しペースを回復するとまた追いついたり、
「やっぱりみんなもうキツいんだな」
とも感じました。
この区間は何度も列車に乗ろうとしては千切られを繰り返しながらも、なんとか踏みとどまって我慢の走りが続きました。
しかし、粘っているうちにさっき摂取した塩分が効いてきたのが、徐々に体に水分、エネルギーが再供給され始めた感覚が出てくると、また少しペダルに力が戻ってきました。もはや固形物は全然取れないので、ポケットのジェルをちびちび飲んで、ハンガーノックにならないよう注意しながら進みます。すると徐々に復活し始めて、再び前をいく選手を回収し始めて、徐々に自分のパックも10名程度になりました。
この区間は相当苦戦しましたが、16:15頃に最後の第2チェックポイントに到着しました。
第2エイドから最終区間87kmへ
もはや満身創痍で238km地点の第2チェックポイントに到着。
ドロップバッグを受け取りますが、あまり頭が回っていません。まだ体が暑く、氷水をもらって何度も頭から被ります。
当初の計画では各エイド間で最低4個はエネルギーバーなどの固形食を食べる計画でしたが、全く食べておらず、かなり予定より摂取カロリーがアンダーしているはずだったため、無理やりバナナを1本半詰め込んで、飲み込みました。さらにオレンジを食べれそうだったので、オレンジも一個食べて、ミニ缶のコーラをちびちび飲みながら、やっとボトルを入れ替えて、ここ予め送ってあったハイドレーションバッグを背負いました。
この最終第2エイドからゴールまでの87kmはチェックポイントはありません。そのため最終区間が最も補給ポイントのない長い区間となっているため、もし大幅にスローダウンした場合、ゴールまでに要する時間が長くなり、水切れするリスクがあったので、本当は背負いたくないけれど保険としてハイドレーションバッグを1リットル分背負うことにしました。
そして同じく送っていた、大きいライトに付け替えてナイトライドにも備えます。相当疲弊していたので、いったいどれぐらいゴールまでの区間で時間がかかるか見通せないので、かなり多めに補給食は持ちました。
ここでも予定より滞在時間が長くなってしまいましたが、16:35くらいにエイドアウト。ゆっくり走り出します。
私がDHバーにテープで貼ったタイムプランでは、16:30のエイドアウトでギリギリ「Race the sun」のリミットとして記載していました。
残り87km サンセットは20:45。 果たして間に合うのか。
その結末はレース編の2に続きます。
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Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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